HISTORY OF POKEPARA

当時、目的はオフィシャルサイトに飛ばすことだった

「ポケパラ」は15年前に生まれたブランドです。当時のキャバクラ広告といえば、紙媒体が中心でフリーペーパーとしての船出でした。その後、インターネットでの情報発信をスタートさせるのですが、正直なところクライアント様からの反応は予想以上に厳しいものでした。

「ネットでキャバクラ探す人っているの?」
「酔って2軒目のお店探すなら、客引きの方がニーズあるよね」
「雑誌より掲載料が安くても、お客さん呼べる自信あるの?」

そんな意見を覆す説得力を持たないサイトに、ユーザーがアクセスしてくれるはずもありません。まず最初に「ポケパラ」がぶつかった壁がここでした。

今だからわかることですが、ここでの誤りは"「ポケパラ」がお店のオフィシャルサイトの代わりにはなるはずがない"と思い込んでいたことです。

せっかくユーザーが「ポケパラ」内の店舗ページにアクセスしても、当時(2006年ごろ)の店舗ページでは最低限の店舗情報、女の子情報しかなく、頻繁にユーザーが訪れたくなるようなコンテンツがありませんでした。

ネットで集客することに意欲的なお店は見た目豪華なオフィシャルサイトを運営していることも多く、キャバクラ情報サイトに求められることは、"いかに多くのユーザーをオフィシャルサイトに飛ばすか"だったのです。

『踏み台』から『遊べるサイト』づくりを目指す

オフィシャルサイトへのリンク元、悪く言えば『踏み台』です。ここに疑問を持つまでに2年かかってしまいました。ユーザーが訪れないサイトは、『オフィシャルサイトへの踏み台』にすらなれないのです。

そもそも、なぜ情報サイトが『踏み台』になる必要があるのか……。

キャバクラ情報サイトなのに利用するユーザーと向き合っていない、その結果と向き合う時が来ました。

「ポケパラ」に掲載したクライアント様に効果を実感してもらうには、リンク経由でオフィシャルサイトに飛んだユーザーの数では現実感がありません。やはり、お店に訪れるお客さんの数で評価してほしい。

そのためには、オフィシャルサイトと遜色ない機能を提供できるサイトに作り変える必要がありました。

これを契機に「ポケパラ」のサイト構築、管理を担当していた外部の会社との契約を打ち切り、100%自社制作体制に移行しました。外部制作では新機能の開発や機能改善には常にコストが発生します。これでは思い切ったことはできません。スピーディーな開発環境が、今後の「ポケパラ」には不可欠と判断したからです。

プログラマーとwebデザイナー、計4名のスタッフを迎え入れ、ゼロからの再構築(サイトリニューアル)がスタートしました。とはいえ、キャバクラになじみがないスタッフばかりのチーム・ポケパラ。各々のメンバーが持つキャバクラ情報サイトのイメージ像をまとめるために、約9ヶ月を要しました。

開発、営業、お客様でつくるポケパラ

2009年9月、「ポケパラ」リニューアルサイト公開。関東と東海の2エリアでの再スタートとなりました。

新しい「ポケパラ」のコンセプトは「ユーザーが毎日のように訪問し、お店を比較検討できるサイト」。目玉のコンテンツは"キャバクラ嬢ブログ"です。

機能面では、主要な競合サイトが持つ機能をカバーし、なおかつほぼ全てをお店側でコントロールできる。作った人が言うのもなんですが、便利なことこの上ないサイトです。ただ、お店でコントロールできることが増えた反面、憶えていただくことが多く、リニューアル時のサイト管理マニュアルは軽く100ページを超えていました。

この"便利だけど憶えることがいっぱい"のサイトを広めていくために、営業体制を刷新しました。

通常、営業マンは"売り上げを上げてナンボ"なのですが、「ポケパラ」の営業担当は"サイトを活用してもらってナンボ"。具体的には契約したキャバクラ店の管理担当の方への啓蒙活動を業務の中心にしました。

「ポケパラ」内の店舗ページに情報を入れていただき、女の子ブログの投稿をお願いする。書くのは簡単ですが、インターネットでの集客が主流ではない6年前には、かなり高いハードルでした。

営業マンの情熱でなんとかなるほど、世の中甘くありません。地道にクライアント様に通い、サイトの仕組みを説明し、店舗ページの情報を増やしていただく日々が続きます。

最初にお店への集客効果が出はじめたのは、東京の郊外でした。

歌舞伎町や六本木のような、大きな繁華街ではなく、小さなお店がいくつか集まったエリアです。

このエリアには、無料案内所やフリーペーパーといった宣伝媒体がなく、どのお店も集客に悩んでいました。これは「ポケパラ」の出番です。集中して各店の店舗ページ内の情報の入れ込みを徹底しました。すると、検索エンジンでの検索結果で「ポケパラ」が上位表示されるようになり、そこから集客効果が出たのです。

さらに求人効果も生まれました。

男性ユーザーだけではなく、キャバクラでの仕事を探す女性ユーザーも「ポケパラ」で情報収集しているのです。女性ユーザーの利便性を上げることが、掲載店舗様への求人効果向上に繋がると考え、女性求人を独立させて、キャバクラ求人サイト「ポケパラ体入」を2011年の冬に立ち上げました。

「ポケパラ」と「ポケパラ体入」は店舗情報を共有しており、同じ管理画面から情報更新が可能です。充実した機能を持つ集客サイト、求人サイトをひとつにまとめて提供する、「ポケパラ」の基本形がここに完成しました。社内制作による、サイト開発をスピーディーに行う体制を造った賜物です。

オープン当時のポケパラ体入デザイン

変革の中で見失っていたことに気づく

今となっては当たり前の話ですが、適切な情報の入れ込みが検索エンジンでの評価、サイト全体の評価に繋がり、「ポケパラ」掲載店様へのアクセスに繋がる。これが間違ってはいないことを実感したことから、さらにネット上での露出を高めるために「ポケパラ」のお店ページと連動した企画コンテンツの制作に着手しました。

2011年にリリースした、ユーザー投稿によるキャバクラ体験談企画「キャバログ」と、キャバクラ嬢ブログ内の写真をまとめて紹介する「写メ嬢」です。

残念ながら「写メ嬢」は2年半でサービスを終了しましたが、「キャバログ」は4年間で体験談投稿数が11,000件、サイト会員ものべ24,000人を越え、「ポケパラ」の主要コンテンツになりました。

競合サイトにはない、リアルな体験談はお店選びの指標のひとつとなり、会員同士のプチオフ会も開かれるなど、SNS的な活用もされています。

並行して関東・東海以外のエリア展開も徐々に広げました。

現在では全国10エリア(北海道、東北、甲信越、北陸、北関東、関東、東海、関西、九州北部、沖縄)で展開しており、この規模で運営しているキャバクラ情報サイトは他にありません。「ポケパラに掲載すれば効果がある」との口コミで問い合わせも多く、契約店舗数は右肩上がりでした。

しかし、ここに落とし穴がありました。

急速に大きくなるサイトの規模に、運営側の体制が整ってなかったのです。具体的にはあれほど苦労して啓蒙していた、"正しいポケパラの使い方"がおざなりになっていました。

2014年の夏、新規掲載となったニューオープンの熟女キャバクラのお店がありました。「ポケパラ」の集客に期待し、別料金のバナーまで契約して頂いたのに、まったく集客・求人効果がありません。店舗様も担当営業も打開策が見えない状況……。それを打ち破ったのは、入社間もない制作スタッフのひと言でした。

「女の子情報といっても名前、年齢、血液型くらいしかないし、写真も顔がよくわからない風景写真っぽい子も多いッス。これでお店行くかと聞かれたら、お金をもらっても時間が勿体ないのでお断りッス」

掲載店舗が増えるに従って、いつの間にか基本のことがおざなりになっていました。女の子情報の入れ込み、お店情報のメンテナンス、すべてが中途半端な状態で放置されていたのです。

「仕事はそつなくできてる」という、忙しさゆえの思い込みがスタッフ全員にありました。素直に反省し、まずはその店舗ページの改善を徹底的に行いました。効果的な写真の見せ方を提案し、全女の子の画像を差し替え、店舗ページ内の文章を精査し、"そのお店にしかない情報"を加えることに全力を尽くしたのです。

その結果、お店へのアクセスは667.4%になりました。集客、求人効果も向上し、20人越えの団体を来店させるなど、売り上げで月80万円近く貢献できる状態が今も続いています。

東海版掲載中店舗様の実績

開発スタッフ、営業スタッフの増加や、サイトがカバーする範囲の拡大など、「ポケパラ」が置かれた状況は様変わりしました。

有名キャバクラ検索サイトNとの比較
1年間の成長記録

しかし、我々には忘れてはならないことがあります。

基本に忠実にお客様のためになる提案・改善を続けること。

少子高齢化やレジャーの多様化など、キャバクラ業界には乗り越えるべき課題がまだまだあります。「ポケパラ」はこの業界に関わるすべての人々が笑顔になるための情報発信プラットホームとして、常に謙虚な姿勢で課題の分析・解決に努めたいと考えています。